こんにちは。TOMOです。
今回は牛乳についてお話をしていこうと思います。
牛乳は準完全栄養食で健康に良いとされていますが、近年の研究では牛乳は身体に支障をきたすという情報もあります。ですので、その点についての知識を深められる様な紹介をしていこうと思いますが、そうではなくやはり健康に良いという論評もありますので、あくまで知識の一つとして、良し悪しの判断材料として読んで頂ければと思います。
ちなみに筆者個人の見解を先に述べてしまうと、完全なものなどないと思います。ですので、デメリットの部分を抑えつつ、メリットを捉えて適切に摂取が好ましいのかなと思います。
それではどうぞ。
牛乳の栄養成分
牛乳にはタンパク質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれています。
タンパク質・脂質・炭水化物は3大栄養素として活動するためのエネルギー源となっています。その働きを助け身体機能を調節しているのがミネラルとビタミン。この2つの栄養素を合わせた5大栄養素が揃って私たちの生命活動が維持されています。この5大栄養素がバランスよく含まれている牛乳。その牛乳は準完全栄養食とされています。
※以前に「完全栄養食」と説明したかもしれません。申し訳ありません。
近年紹介されている牛乳のデメリット
「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」という内山葉子医師の著書の中では牛乳の摂取は様々な症状の悪化や病気を招くとされています。その内容は以下になります。
牛乳を飲むほど、カルシウムが体内から失われて骨折しやすい
牛乳を飲むと、消化されにくいタンパク質を多くとることになり、腸の中に窒素残留物が増える。その窒素残留物が吸収されて血液中に増えると、血液が酸性に傾く。それを中和する為に骨からカルシウムを溶かしてしまう。
カルシウムパラドックスといわれる、牛乳や乳製品をとればとるほど骨粗しょう症を引き起こし、骨折しやすい体にしてしまう。
牛乳はあくまで牛のミルク・人の母乳とは組成比率が違う
牛乳は誕生後すでに成熟している仔牛にはさらなる成長のため、IGF-1を誘導するカゼインが主体となり、未成熟のヒトの赤ちゃんは、免疫や感染防御、腸の修復、便の排出などが優先されるためにホエイ主体になっている。
以前と製法が変わり今の牛乳は危険な飲み物に
牛乳そのものの問題はないが、製法や加工による問題がある。
超高温殺菌(牛乳を120~135℃で1~3秒殺菌する)とは、本来は常温で長期間の船舶向けのために開発された方法で、手間もかからず大量生産に向いていて、今の日本の主流になっている。
海外では62~65℃で30分間殺菌の低温殺菌が主流。大量生産はできないがホエイ・カゼインの熱変性を起こさない方法。
超高温殺菌(UHT乳)により、今の牛乳は酵素活性が失われ、タンパク質も変性、消化・吸収されにくくなり、栄養素も壊れてしまう。
生の牛乳であれば酵素が生きているので、分解しにくいカゼインも分解する酵素や乳酸菌などの善玉菌も含まれている。
ホモジナイズ、これは乳脂肪を砕くことで成分を均一にし、クリームが浮かばないようにするもの。しかし、このことで砕かれた脂肪球がカゼインやホエイを引き込み巨大なタンパク質へ変化することで、アレルギーを起こしやすくしてしまう。
牛乳のタンパク質の約80%を占める「カゼイン」を人は分解・消化できない
母乳のカゼインはβ型カゼインですが、牛乳は主にα型カゼイン(αs1)で分解・消化できず、それが腸の中に未消化物としてたまると腸に炎症が起こりやすくなる。(αs1-カゼインはホエイの6倍のIL-8という炎症性サイトカインの分泌を誘導)
ちなみに、カゼインと乳清タンパク質の含有量の比率は、母乳が4対6なのに対して、牛乳が8対2で、牛乳の方が圧倒的にカゼインを多く含む。
さらに、人間が消化できないα型カゼインはアレルゲンとなりやすいため、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症、さらに遅延型アレルギー(IgG型)の原因に。
牛乳のカゼインから不完全に分解されてできるカソモルフィンはモルヒネ様物質
カソモルフィンというモルヒネ様物質“エキソルフィン”はパン同様に中毒症状を起こし、精神不安や神経障害を起こす。
脳神経に影響を及ぼして、ふらついたりめまい、便秘や排尿トラブル、呼吸器異常も。
牛乳が胃酸と反応すると乳餅(カード)ができ、栄養素の吸収を阻害
カゼインタンパク質は「にかわ」状の物質で、木工用ボンドに使われる粘着性の極めて強いものです。それから出来るカードは、さらに粘着力が強く、ビタミンやミネラルの吸収を妨げます。最近ではチーズがもてはやされているので、さらにカードによるビタミン、ミネラル不足による肥満や疲労感、無気力感が増加し、さらに女性では特に、「鉄」の吸収阻害による鉄欠乏性貧血が問題となる。
日本人の約8割は乳糖を分解する酵素がない
牛乳には5%前後の糖質が含まれるが、ほとんどが乳糖。生乳であれば、乳糖を分解するラクターゼという酵素が含まれているが、加熱している現在の牛乳には含まれないので自前の酵素で分解するしかない。
ところが、体内でラクターゼを作れない「乳糖不耐症」の人が日本人に多くみらる。乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと、下痢をしたり、おなかにガスがたまる。
基本的に赤ちゃんは乳類によって成長するため、日本人でも2歳くらいまでは乳糖を分解する酵素と作ることができる。しかし、2歳を過ぎて、それほど急激に成長しなくなると、乳糖を分解する力も不要になるため、徐々にその酵素はなくなっていく。
ハーバード大学
ハーバード大学では、ナースヘルススタディーにおいて、7万8千人の女性を12年間調査し、骨折は乳製品を摂取するほど多く、大腿骨頸部骨折の増加リスクは乳製品由来のカルシウムに関係していると結論づけた。とされています。
米国国立乳牛議会
米国国立乳牛議会では、1日1杯の牛乳を2年間摂取した女性は、全く摂取しなかった女性に比べて、骨量が2倍の速さで減少し、牛乳によるタンパク質のとり過ぎが原因と結論づけた。
・世界的な子育てバイブルとして知られる「スポック博士の育児書」の改訂版では、「アメリカは社会全体で食生活を変えなければならない。最悪の食品は牛乳・乳製品である」「自然界には離乳期を過ぎてミルクを飲む動物はいない。人間も同じで、離乳期を過ぎたらミルクを飲まないことが正常である。必要なタンパク質を植物からとったほうが、子供のカルシウムバランスはよくなる」と修正した。
牛乳に含まれる女性ホルモン(エストロゲン)、抗生物質や有害物と乳がんとの関連が疑われている
牛乳は、本来、牛の赤ちゃんが体重を1日に1kg増やすために必要な成長ホルモンが含まれている。この成長ホルモンは「IGF-1(インスリン様成長因子)」と呼ばれるもの。
多くの乳牛は、エサに遺伝子組み換え穀物が使われ、乳腺炎などの病気も多いので抗生物質も多く与えられている。「母乳は白い血液」といわれるほど、母牛の血液の状態を反映した成分。
不健康な牛からは、不健康な成分の牛乳しかとれない。その結果、牛乳に含まれる多くの化学物質やホルモンにより、生殖器の病気やホルモンに関する甲状腺や膵臓、副腎などの病気のリスクが高まってしまう。
さらに、効率を求める畜産により常に乳牛が妊娠状態のままなので、牛乳中のエストロゲン濃度は高くなっている。そのことが、ヒトの血中のエストロゲンレベルを過剰にしてしまっている。
その結果、特に女性において月経開始年齢を早め、月経前症候群や生理痛をひどくし、次にはエストロゲンに敏感に反応する生殖器官(子宮・卵巣)や乳房の細胞に異常な成長を促し、やがて腫瘍やガンを形成させてしまうことになる。
特に、乳ガンについては、すでに牛乳・乳製品との関連がいわれていて研究もされている。
ガンだけでなく、牛乳は動脈硬化や腎障害のリスクを高める食品でもある。牛乳は動脈硬化を進める脂肪酸を多く含むうえ、ほかの肉や魚に比べて、タンパク質の中に腎臓への負担となるリンも多く含む。
対論・牛乳のメリット
上記では牛乳のデメリットについてお伝えしました。デメリットだけを見ると牛乳を摂るのが嫌になってしまうかと思いますが、そうではなく牛乳にも良いところはあんですよ。ということと、そうではないんですよ、という記事も紹介しますので、判断材料の一つに加えて頂ければと思います。
血糖値の上昇を抑える
牛乳に含まれるホエイプロテインによってインクレチン分泌が刺激を受け、インスリンが分泌しやすくなり、血糖の上昇を抑えられると考えらている。
参考:血糖値を下げる食べ物&飲み物ランキング〜注目の食材とは?〜
筋トレや運動などのオフ時の栄養補給に最適
トレーニングによって疲れ、傷ついてしまった筋肉には適切な休養と栄養補給が欠かせない。そこで摂取したいのが牛乳に含まれるたんぱく質「ホエイ」・「カゼイン」。(牛乳にはホエイ20%・カゼイン80%のたんぱく質が含まれています)
ホエイの働き
タンパク質はアミノ酸が合成されることで生まれる。人の体に必要なタンパク質を合成させるのに必要なアミノ酸は、全部で20種類。
そのうち自力で生み出すことができるアミノ酸11種類。残りはどうやっても作ることができない。
どうやってそのアミノ酸を手に入れるのかと言えば「食べる」しかなく、必ず必要なので「必須アミノ酸」と呼ばれている。必須アミノ酸は私達の筋肉を作り上げる上で欠かすことができない物質群なので、ぜひ積極的に摂っておきたいところ。
特に、ホエイには他のタンパク質と比べるとはるかに多くの必須アミノ酸であるBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)が含まれている。BCAAは運動をするときに必要なエネルギーを生みだす源になるだけではなく、運動によって疲れてしまった筋肉の疲労を回復に導く効果も期待できる。
カゼインの働き
カゼインは体への吸収スピードが遅いという特徴がある。「スピードが遅い」というとデメリットのように感じるかもしれないが、ホエイと一緒に摂取することで、カゼインが体への吸収スピードが遅いという現象がメリットに変化する。
ホエイはカゼインに比べると体への吸収スピードが速く、約2時間で体へと吸収されていきます。即効性を求めるのであればホエイだけでも構いませんが、時間をかけて体にタンパク質を補給したいと思うとホエイだけでは足りないのです。
そこでホエイとは逆の特性を持つ、時間をかけて吸収されるというのがカゼインになります。カゼインが体に吸収されるスピードは約7~8時間と、ホエイに対して3倍ほど時間がかかるのです。
つまり、トレーニングを終えた後に少しでも早く栄養補給をしつつ、体の中で時間をかけてタンパク質をじっくりと吸収させていくには、ホエイとカゼインを混ぜるというスタイルが非常に効率よく、効果的なのです。
かんたん、わかる!プロテインの教科書-森永-
牛乳を飲み過ぎて骨粗鬆症になることはない
1975年.2000年の25年間に出された、牛乳が骨の健康に及ぼす効果を調べた139の論文には、「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」としたものは1つもない。
国内・海外の骨粗鬆症財団や、世界保健機関(WHO)などからも、そのような発表は一切されていない。それどころかWHOは「カルシウムの最良の補給源は牛乳、乳製品である」と明確に記している。
参考:ウワサ5 牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる
牛乳を飲むと体内カルシウム量が減る、ということはない
カルシウムはもともと消化吸収率の低い栄養素。牛乳の場合、牛乳中のたんぱく質を消化するとき生じるカゼインホスホペプチド(CPP)、乳塩基性たんぱく質(MBP)や乳糖のはたらきによってカルシウムの吸収率が高まる(カルシウムの吸収率は牛乳40%、小魚33%、野菜19%)。
牛乳を飲むと、カルシウムが効率良く摂取できる。体内のカルシウム量が減ることはない。
参考:ウワサ4 牛乳のナトリウムはカルシウムを排出するから 牛乳を飲むと体内のカルシウム量が減る
「酵素を摂る」ことに栄養学的意味はない
人に必要な酵素はすべて体内で作り出される
人の体にとって必要な酵素は、体内でたんぱく質から合成される。したがって、食物などから摂取する必要はない。食べ物に含まれる酵素は、体内で分泌される「たんぱく質分解酵素」によって分解されて消化され、酵素活性を失う。酵素はたんぱく質。牛乳の加熱殺菌によっても活性が失われる。しかし上記の理由から、そのことに大きな栄養学的意味はない。
参考:ウワサ3 牛乳を殺菌すると酵素が死ぬから体に良くない
メリット・デメリットを把握し自身に合った摂取方法を
上記で牛乳のメリット・デメリットを紹介させて頂きましたが、牛乳は健康に良いから何も気にせず安心して飲めばいいというものではないというのはあるかもしれません。牛乳に限ったことではないですが、やはり何事も「~過ぎる」というのが良くないというのは世の常だとも思いますしね。適切に、牛乳も用量・用法を守って正しくご摂取ください。ということなのかなと思いました。
それと、元々の遺伝体質であったり、アレルギー体質の方などは注意が必要というのもありますよね。炎症作用を起こしやすい、病気を患っているなど。体質と共にその時々の状態にもよると思いますので、それぞれに合った、適切な摂取を心掛けるといいのかなとも思います。
ちなみにボクの経験として、毎日の様にスポーツをし筋力が人生で一番あった高校時代の時は牛乳1Lを毎日の様に摂取しても身体の不調は出ませんでした。ですが最近(スポーツを毎日はしていない36歳)は牛乳を体感500ml以上摂取すると大体お腹を下します…筋トレ後でも下します…なので、その時々の体調に合わせ、牛乳を摂取するのは日常生活を送るだけの場合は1日1杯、筋力トレーニング、激しい運動の直後に適量を摂取など、目的と頻度を予め決めて飲むようにすると良いのかなと思います。
また、牛乳と直接の関係はありませんが、やはり人が正常に生きていく上では、適切な食事・適度な運動・良質な睡眠は非常に重要だろう。と、筆者個人の体感としては思います。
まとめ
今回は牛乳についての健康情報でした。今までの常識は現在の非常識というのは何時の時代にもありますので、常に最新の研究・科学に注目することは健康を保つうえでは非常に重要と感じますが、最新の情報が必ず正しいとも限らず、様々な情報をもとに私たち一人一人が自身と照らし合わせて判断していく必要があると感じます。今回の記事が、その一助になれば幸いです。
それではまた。
参考資料・引用
知ってミルク‐明治‐
かんたん、わかる!プロテインの教科書-森永-
パンと牛乳は今すぐやめなさい
牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!